北限の茶樹を訪ねて

2002.9.27(金)

 お茶の木の生育限界は、年平均気温が13℃くらいといわれています。また、マイナス15℃の気温に1時間以上会うと、葉枯れ状態を起こします(以上、「新茶業全書」より)。ところが、北海道の古平町という場所にお茶が生育しているというのです。古平町は札幌より北西の、積丹半島にあります。札幌市の年平均気温は8.5℃。科学的な生育限界をはるかに超えています。そんなお茶の木をこの目で見てきました。

●小樽の市街地を抜けてから約40分、40km弱走ったところにある、お寺が舞台です。


禅源寺入口  場所は、古平町の禅源寺というお寺の中で、町役場のすぐ裏側にあります。


北限の茶  これが、北限の茶。大きさは膝丈くらい。低く這い、雪が降っても折れないような形になっていました。小さな葉で、鋸歯(葉のギザギザ)が大きく、一見して現在の栽培種とは違うことが分かります。 


茶の花  花が咲いていました。花はびっしりと付き、これから開花の最盛期を迎えます。
これからできる蕾は、雪が降っても開かないで越冬し、雪が無くなった頃(5月〜7月くらい)に蕾が開くそうです。


別の茶の木  これが、もう一本のお茶の木です。この場所へ移植された時に枯れたと思ったものが、今年芽吹いたものだそう。葉は大きく開いています。

 写真2、3枚目のお茶の木は、愛知県出身の岳転老祖(住職)が90年ほど前に導入したらしいです。上のお茶の木はいずれも4年前までは、境内の裏にあったもので、工事の都合上移植せざるを得なくなって、現在の場所に移植されたそうです。4枚目の写真の木は10年ほど前に導入した若い木。この2本の茶樹からお茶を作ったことはないそうで、どんな味がするのかはわからない。

 アポなしで朝7時30分に訪れたにもかかわらず、お話を聞かせてくれた禅源寺のおばあちゃん、ありがとうございました。


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